獣医師のやりがいや魅力ってどんなことなんだろう?
獣医師の仕事って大変なのかな?
大変なことにみんなどう対処しているんだろう?
獣医師という職業に興味がある、獣医師を目指しているという人にとって、獣医師のやりがいや魅力は気になるポイントですよね。
また、実際に働いている獣医師の方の中には、毎日仕事に追われる中、あらためて獣医師のやりがいや魅力について再確認したいと思っている人もいると思います。
この記事では、以下の3つについて解説します。
この記事を読むと、獣医師のやりがいや魅力だけではなく、獣医師としての苦労や大変なことについてもわかります。
獣医師としての苦労や大変なことを乗り越えるためのポイントについても解説しているので、獣医師という職業に興味がある人や、やりがいや魅力を再確認したい獣医師はぜひ参考にしてください!
- 動物病院と公務員で3回の転職を経験
- 動物病院勤務では、平均14時間におよぶ長時間労働やトップダウンの経営方針に悩む。
- 結婚を機に退職し、現在は獣医師のキャリア形成について発信。
- 2児の母。
獣医師のやりがいや魅力とは?
獣医師という職業は責任の重い仕事ですが、その分やりがいも大きく、動物が好きな人にとっては魅力的な職業です。
獣医師のやりがいや魅力として、主に次の4つがあげられます。
- 治療によって動物を救うことができる
- 飼い主からの感謝を直接受け取れる
- さまざまな動物に触れあえる
- 専門知識の活用とスキルアップ
やりがい①:治療によって動物を救うことができる
動物を治療によって救うことができるのは、獣医師の最も大きなやりがいの一つです。
人だけではなく、動物が苦しんでいる姿を目にするのは辛いですよね。
自分の治療によって、そういった動物の苦しみを取り除くことができるのは、大きな達成感や喜びにつながります。
患者さんが元気に退院していく姿や、検査の数値が改善していくのを見ると、「やってよかった!」とそれまでの苦労が吹き飛ぶほどの達成感があります ^^
術後ケアや治療が長期間になると大変ですが、患者さんが元気になった姿を見ることができるのは、医療職でないと味わえない大きなやりがいです。
やりがい②:飼い主からの感謝を直接受け取れる
獣医師は、飼い主さんから直接感謝の言葉をもらう機会も多くあります。
動物の元気になった姿を見ることができるだけではなく、飼い主さんからも感謝されたら大きなやりがいを感じますよね。
私は行政獣医師として公務員の経験もありますが、公務員はやはり動物病院勤務に比べて誰かから感謝の言葉をかけてもらう機会が圧倒的に少なく、公務員になって初めて臨床獣医師のやりがいを実感しました。
人から感謝されると誰かの役に立てたと感じるので、仕事に対する満足度が上がり大きなやりがいにつながります。
公務員獣医師は直接感謝の言葉をもらう機会は少ないですが、公衆衛生や食品衛生をとおして地域の人の暮らしを守っているという意識をもって働いている人もいます。
やりがい③:さまざまな動物に触れあえる
「動物が好き」という理由で獣医師を職業に選ぶ人も多いのではないでしょうか。
動物病院や大動物専門の獣医師は毎日動物と触れあう機会があるので、動物好きな人にとっては魅力的な仕事です。
また、動物好きな人にとっては、動物の福祉や健康に貢献することは大きなやりがいにつながりますよね。
私は主に犬猫の診療を対象とした病院勤務の経験がありますが、ウサギやフェレット、小鳥が来院したこともあります。
ケガをした野鳥が運び込まれて、先輩獣医師が治療をする場面も何度か見せてもらいました。
同じ犬でもグレートデンからチワワまで、さまざまな犬種に巡り合う機会に恵まれ、プチ・ブラバンソンやオッドアイの猫など珍しい種類の動物にも出会うことができました。
自分で実際に飼える動物には限りがあるので、さまざまな種類の動物に触れあえるのは、動物関係の職業の特権だと思います。
やりがい➃:専門知識の活用とスキルアップ
大学で学んだ専門知識を、実際に仕事で生かすことができるのも獣医師の魅力の一つです。
実際、大学で学んだ知識とは関係のない職業に就く人も多いですよね。
獣医師にとって勉強に終わりはありません。
日々の診療そのものが勉強であり、経験です。
そして、常に努力が求められるからこそ、その分知識も技術も身につきます。
仕事をとおして自分の能力を高め、その能力で困っている飼い主さんや苦しんでいる動物を救うことは、大きなやりがいにつながります。
また、スキルアップすることで自信をもって診療にあたることができるようになるので、精神的ストレスが減るというメリットもあります。
でも日々仕事をしていると、上手くいかず自信を失くしてしまうこともあると思います。
次の記事では、自信がなくなってしまった時の対処法を解説しているので、ぜひ参考にしてください!
獣医師の苦労や大変なこととは?
獣医師は魅力的でやりがいのある仕事ですが、同時に苦労や大変なことも存在します。
獣医師の苦労や大変なこととして、主に次の4つがあげられます。
- 長時間労働
- 精神的なストレスが大きい
- ケガや感染症のリスクがある
- 収入が労働に見合わない
苦労・大変なこと①:長時間労働
直接動物を相手にする獣医師の仕事は、長時間労働になりがちです。
入院患者の容態急変、緊急手術、急患など、緊急で対応する必要があることも多く後回しにできません。
診療時間終了間際に外来があると、そこから診察開始となるため、診療終了時間を大幅に過ぎてしまうことも頻繁にあります。
また、動物の診療は基本的に立ち仕事なので、肉体的にハードな仕事です。
急患が運ばれてくれば休憩時間を削って対応に当たり、数時間に及ぶ緊急手術は立ちっ放しで体力を使います。
私が勤務していた病院では、定期的にある勉強会は診療時間後に行われていたので、帰宅が日をまたぐことがしばしばありました。。。
次の記事では、動物病院の残業の実態やワークライフバランスを向上させる方法について解説しているので、ぜひ参考にしてください!
苦労・大変なこと②:精神的なストレスが大きい
獣医師は肉体的にだけではなく、精神的にも負担が大きい仕事です。
治療によって動物の命を救うことができるのは獣医師の大きなやりがいですが、治療の選択や判断に全ての責任を負わなければなりません。
自分の判断が動物の健康や命を左右するという意識をもって働く必要があり、精神的なストレスは他の職業より大きいと思います。
また、獣医師として救うことができない命も少なからずあります。
早期発見早期治療であれば助かる命も、動物が言葉を話せないために重症化するまで気づかず、受診した時にはもう手遅れ・・・というケースもよくあることです。
そして異変に早く気づいてあげられたとしても、飼い主さんの物理的・経済的負担や獣医療の限界などで、必ずしも助けてあげられないこともあります。
長く担当している患者さんが治療の甲斐なく亡くなってしまうのは、治療する側としても力不足を痛感します。。。
苦労・大変なこと③:ケガや感染症のリスクがある
動物病院で勤務する獣医師は、動物に噛まれたり、引っかかれたりするなど、ケガをするリスクが常に伴います。
何をされるかわからない恐怖から、動物は全力で抵抗してきます。
診察や治療をするために、攻撃的になっている動物でも保定(動かないようにおさえること)しないといけないので、時には負傷してしまうこともあります。
また、動物の感染症の中には、人にもうつってしまう人獣共通感染症があります。
そのため、獣医師だけではなく、直接動物と接触する仕事では、ケガだけではなく感染症のリスクとも常に隣り合わせです。
手洗いなど基本的な感染対策をしていても、噛まれたり、引っかかれたりすると、傷口から感染してしまうこともあるため、他の職業よりもケガや感染症に罹患する可能性が高い仕事と言えると思います。
私は病院実習で、オウム病に感染した獣医師の方に会ったことがあります。軽症で済んだのだと思いますが、「リンパ腺が腫れて痛い」と言っていました ^^;
苦労・大変なこと➃:収入が労働に見合わない
一般企業で働くサラリーマンと比べると、獣医師の年収は決して低いわけではありません。
しかし、獣医師の仕事が心身ともにハードであることを考えると、収入が労働に見合っているとは言えません。
その原因としては、人の病院とは違い、動物病院が自由診療で利益を上げにくいことや、院長に経営者としての意識や知識がないため、スタッフに過酷な労働環境を強いている現実があります。
それでも、人手不足の背景もあり、不適切な経営をしているとスタッフが集まらないため、最近では福利厚生を整備する病院が増えてきました。
獣医師の年収が低い理由については、次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください!
獣医師としての苦労や大変なことを乗り越えるためのポイント
獣医師としての苦労や大変なことを4つあげて解説しましたが、ここではそういった苦労や大変なことを乗り越えるためのポイントについて解説します。
仕事の苦労や大変なことを乗り越えるためのポイントは、次の4つです。
- 将来の目標を決めておく
- ポジティブなマインドセット
- スタッフとの信頼関係を築く
- 自己啓発をする
POINT①:将来の目標を決めておく
どんな獣医師になりたいのか、獣医師としてどんなことを実現したいのかという将来の目標を決めておくことはとても重要です。
私は動物が好きで獣医師という職業を選びましたが、獣医師としてどうなりたいのかという目標があいまいだったせいで、獣医師の仕事のやりがいを見失い、3回も転職をする結果になってしまいました。
仕事をしていると、辛いことや困難な場面に必ず直面します。
そういう時に将来の目標が決まっていると、その目標に到達するためには目の前の問題にどう対処したらいいのか冷静に解決策を導き出すことができます。
目指すものがはっきりしていると、問題にどう対処すればいいのか判断する時の基準になりますよね。
そして大切なのは、将来の目標を達成できる見込みのある環境に身を置くことです。
今の職場で仕事を続けていても、目標が達成できそうにないと判断した場合は、環境を変える必要があります。
転職活動は自分が主体となって行う必要がありますが、独自の情報収集では情報の偏りを生むリスクがあり、自分の能力を生かせる職場を探すのは簡単なことではありません。
そのため、転職活動をする際は転職エージェントの利用がおすすめです。
転職のプロである転職エージェントは、一般には公開されていない情報を数多く保有し、あなたの市場価値を客観的に判断してくれます。
結果的に転職しなかったとしても利用は無料なので、ツールの一つとして転職エージェントの利用はマストです!
次の記事では、おすすめの転職エージェントについてレビューしているので、ぜひ参考にしてください ^^
POINT②:ポジティブなマインドセット
マインドセットとは、経験や価値観などによって形成される思考パターンのことを言います。
マインドセットがポジティブなのか、それともネガティブなのかということは、仕事に対する姿勢や周囲との関わりに大きく影響します。
いつもグチが多く否定的な考えを持つ人と、何事も前向きに考え問題解決に向き合う人とでは、どちらが仕事の苦労や大変な出来事を乗り越えることができるかは言うまでもありませんよね。
自分を信頼し、何事に対しても前向きな姿勢で向き合う人は、仕事で困難な状況に直面しても乗り越えることができます。
次の記事では、私が重要だと感じているマインドセットについて詳しく解説しているので、ぜひあわせて読んでみてください!
POINT③:スタッフとの信頼関係を築く
動物病院は限られた空間で、少人数のスタッフで運営されていることが多く、人間関係がとても密です。
そのため、スタッフとの信頼関係を築いておくことで、仕事上の困難を乗り越えられる可能性が高くなります。
スタッフとの人間関係が良好だと、ミスをしてしまった時にフォローをしてもらえたり、忙しい時に手を貸してもらえることもあります。
何よりもお互い励まし合えるような環境は、苦難に直面した時、問題解決にプラスに働きます。
次の記事では、人間関係でトラブルにならないためのポイントについて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
POINT➃:自己啓発をする
自己啓発をすることで仕事上の苦労や困難を乗り越えられる可能性が高くなります。
自己啓発の方法としては、次のようなことがあげられます。
- スキルを高めるための勉強をする 知識やスキルを学び続けることで自信につながり、問題に対して前向きに対処できるようになります。
- 専門性を高める 専門分野の知識やスキルを身につけることで自信につながり、仕事に対するやりがいを感じやすくなります。
- お手本となる獣医師から学ぶ 「こういう獣医師になりたい!」と思えるようなお手本を持つことで、仕事に対してプラスの刺激を得ることができます。
- 読書 ビジネス書や自己啓発書などで、仕事に対する考え方やポジティブなマインドセットを学ぶことで、苦労や困難を乗り越えられる可能性が高くなります。
アメリカの心理学者であるウィリアム・ジェイムズの名言にあるように、考え方(心)が変わらなければ行動(結果)は変りません。
考え方を変えるには時間がかかるので、今現在苦労や困難な状況に直面していなくても、日ごろから少しずつでも自己啓発を実践しておくことをおすすめします。
私自身とても好きな名言なので、参考に載せておきますね。
心が変われば行動が変わる。 行動が変われば習慣が変わる。 習慣が変われば人格が変わる。 人格が変われば運命が変わる。 ≪ウィリアム・ジェイムズ≫
まとめ
今回は、獣医師のやりがいや魅力とあわせて、苦労することや苦労を乗り越えるためのポイントについて解説しました。
獣医師はとてもやりがいがあり魅力的な職業ですが、やりがいを感じるためには苦労・大変なこと<やりがい・魅力でなければなりません。
そのためには、心身ともに健康であることや長期的な視点で将来の目標をみすえておくことがとても大切です。
将来の目標が達成できそうにないと判断した場合は転職も視野に入れ、仕事へのモチベーションを維持することもやりがいを感じるためには必要です。
次の記事では、転職をする前に必ずやっておくべきことについて解説しています。
転職を考えている獣医師の方は、ぜひ参考にしてください ^^
コメント