はじめまして!
獣医師のキャリア形成について発信している
まめしば(@mameshiba_vet)です。
私は大学卒業後、動物病院を3か所、その後公務員を経て結婚に至るまで、正社員として3回の転職を経験しました。
1回目の転職時は「もっと頑張らないと!」と自分を追い込んでしまい、なかなか踏み切ることができず苦しい思いをしました。
そして2回目は、一度転職をしてしまっていることもあって、辞めるという決断をするのに1回目以上のプレッシャーがありました。
さらに3回目は、動物病院を辞めて公務員の道に入る選択をしたのですが、異職種への転職だったので本当に勇気がいりました。
結論、
転職はその回数にかかわらずその都度精神的に大きな負担になる
ということです。
この記事では、なぜそんな大変な決断を3回もすることになってしまったのかや、こうしてブログを書くことになったいきさつをお話します。
獣医師を目指した理由と動物病院へ就職したいきさつ
獣医師になった理由は、ずばり動物が好きだったからです。
獣医師を目指す理由としてはありきたりですが、裏を返せば他にやりたいことがなかったといえるかもしれません ^^;
高校時代は特にやりたいことがなかったこともあり、勉強へのモチベーションも上がらず成績も散々なものでしたが、「獣医学部を目指す!」と決めた時点でスイッチが入りました。
ただ、この時点でのゴールは獣医学部合格だったので、将来的に開業するのか、勤務医を続けるのかというような長期的な視点はありませんでした。
とにかく「お前には無理だ」と、はなから否定する親を見返したい一心でした。
そんな状態なので、どうしても動物病院で働きたい!というような熱い想いはありませんでした。
就職先を動物病院へ決めた理由は、企業の就職活動は大変そうだし、公務員試験の勉強もめんどくさい・・・という後ろ向きな考えと、一度は動物病院で獣医さんとして働いてみたいという安易な気持ちからでした。
動物病院で働いてみると・・・
最初に就職した動物病院(A病院とします)は、獣医師が院長を含め5人いる中規模の個人病院でした。
なぜその病院を選んだかというと、学校に募集が入っていたことと、都内という立地、そして初任給が割と高めだったという理由からでした。
書いていて恥ずかしくなるくらい安易な理由ですが、そんな私も就職先の病院を決めるのには慎重になり、10カ所ほど実習に行きました。
逆に行き過ぎて、どこがいいのかわからなくなり、最後は立地や給与額で決めてしまったのです ^^;
本当に若気の至りです。。。
しかし、給料がいいということは、それだけ忙しいということでもあります。
A病院は勤務半年後から夜間の電話当番があり、重症な患者さんがいれば当番で早朝出勤したり、夜間の手術や輸血で帰宅が遅くなることもよくありました。
お昼ご飯が17時になってしまい、しかも10分ほどで飲み込むように食べるなんてこともありました。
それでも1年目ということもあり、人並みに夢や希望もありました。
もっと知識と技術を身につけて色々な患者さんを診れるようになりたい!
獣医師としてレベルアップしたい!
そんな気持ちがあったのですが、半年を過ぎてもなかなか診察に出させてもらえず・・・。
入ってしばらくしてからわかったのですが、A病院は年功序列で、何事も上の先生ができるようにならないと下には順番が回ってこない方針でした。
患者さんを診るのに忙しいならまだしも、いつ診察に出してもらえるかわからない状態で、雑務で毎日が終わっていくことに前向きな気持ちになれませんでした。
徐々に、患者さんと触れ合う喜びよりも、モチベーションの低下と疲労により「辞めたい」という気持ちが大きくなっていきました。
私の思い悩む姿を見て、心配した先輩が「飲みに行かない?」と何度か誘ってくれたこともありました。
しかし当時の私は、そんな先輩の気遣いにも応じる気になれず、休日は部屋に引きこもってばかりいました。
思い返せばこの頃は病んでいたんだと思います。
そのことに気づいて、初めて退職に踏み切ることができました。
スキルアップのための転職、でも結果は・・・
当時、私は愛犬と一緒に一人暮らしをしていました。
正確には、家賃を浮かせるため都内の大学に通う弟と
同居していました ^^;
家にこもりがちだったのは、少しでも愛犬と一緒に過ごす時間を増やしたい気持ちが大きかったからです。
それでも寂しい思いをさせてしまっていただろうと思い、A病院を辞めた後は実家へ戻る決断をしました。
そして通勤可能な範囲にあった2つ目の病院(B病院とします)に就職します。
B病院は、院長含め獣医師が4人の個人病院でした。
正直、B病院は実習に行った時から、とっつきにくい雰囲気の女性獣医師が1人いました。。。
それでも院長(女性)も気さくで、他2人の先生(男性)も話しやすく、A病院より雰囲気もアットホームだったことが好印象で、その先生とは密に関わらなければ問題ない、とその時は判断してしまいました。
しかし、やはり人間関係でトラブルが生じました。
院長は勉強熱心でしたが院内のトラブルにはとんと無関心。
リーダー的資質も経営能力もなかったのです。
この頃の私にはまだ向上心があり、経験やスキルを積みたいのに人間関係のトラブルが続くB病院に嫌気がさし、退職を決断しました。
私以外にも獣医師2人、看護師1人がほぼ同時に辞めました ^^;
2回目の転職だったので、プレッシャーもあったし大分悩みました。
それでも向上心をたてに、「スキルアップのため」と自分を納得させて踏み切りました。
待遇の悪さから将来への不安が払拭できず・・・
3つ目の病院(C病院とします)は、学生時代に単位実習をさせてもらった病院でした。
院長は朝のミーティングと、整形などのちょっと難しい手術の時のみ登場し、基本的に病院は副院長を中心に回っていました。
獣医師も看護師も仲が良く(見えた)、お給料はそれほど高くないけれど実家から近いこと、それにA病院やB病院とは対照的にどんどん診察を任せてもらえることも魅力的に映りました。
ただ、メリットもあればやはりデメリットもあり、C病院は勤務3年目までは休みが週1。
また、月に1回ある勉強会は病院を閉めてから日付が変わるまで続き、帰宅は午前1時を過ぎるため大きな肉体的な負担でした。
せっかく大学の先生が講義に来てくれても、睡魔との闘いとなることもよくありました(汗)
さらに、将来への不安を強く感じた出来事がありました。
隣県へ1泊の社員旅行へ出かけたときのことです。
社員旅行とはいっても、病院を18時に閉めた後スタッフの車何台かに乗り合わせてホテルへ向かい、飲み会の後1泊して病院へ戻り通常どおり診察する、という強行スケジュールでした。
私は下戸なのですが、その飲み会の席で院長に「このビールを飲んだら1万円昇給する」とビールを勧められたのです。
さすがに隣にいた副院長がたしなめてくれましたが、院長の悪ノリで昇給するかどうかが決ってしまう怖さを感じました・・・
公務員へ転職
公務員に転職、という選択肢が頭に浮かぶようになったのはその頃でした。
大学の研究室の友達から連絡をもらい、みんなで集まることになったことがきっかけとなりました。
就職してからずっと忙しく、休日も遠出をする気力がなかったため、卒業してから実に初めてのことでした。
4人で集まったのですが、動物病院で働き続けていたのは私1人でした。
友人3人中2人は公務員へ転職していました。
臨床を去るという決断と、果たして公務員試験に受かるのかという不安から、今までの転職とは比較できないほどの大きなプレッシャーを感じました。
しかし、動物病院で働き続けることの方がもっと不安でした。
将来獣医師としてどうなりたいかというビジョンがなかったからです。
それに、当時は疲れ切っていて、明るい未来を描けるような気力も残っていませんでした。
試験勉強は毎日不安との闘いでした。
そして、私はその年の公務員試験を受験し、某自治体に行政獣医師としての転職を成功させました。
転職した当初は、動物病院との待遇の差に驚きの連続でした。
仕事を終えて建物の外に出た時、外が明るいことにまず驚き、ボーナスが出たり、研修が勤務時間内にあったり・・・。
いかに自分が狭い世界で生きてきたのかを思い知りました。
とうとう人生の転機が・・・
公務員に転職したもう一つの理由は結婚願望があったからです。
両親(特に母親)が厳しかったため、私は子供の頃褒められた記憶があまりありません。
母親は否定的な物の見方をする癖があったので、テストで良い点数をとっても、コンクールで賞をとっても、礼儀正しく人に接しても、常に「もっと」を求められました。
今振り返ってみると、褒め下手だったのかもしれません。
そんな母に対して父は冷ややかに見ている部分があり、子供ながらに夫婦仲がいいようには見えませんでした。
そのため、私は結婚したら家族みんな笑い合える、仲の良い家庭を築きたい、子供ができたらいっぱい褒めて育ててあげたい、という夢を密かに持っていました。
しかし、長時間労働の動物病院では出会いもなく(男性獣医師が看護師と結婚、というケースはよくありますが)、休日は疲れて出かける気力もない・・・そんな状態で出会いに恵まれるはずがありません。
公務員になり、プライベートの時間が持てるようになったおかげで、現在の夫と知り合い結婚することができました。子供を持つなんて考えられない!と思っていましたが、縁あって子供にも恵まれました(2人とも本当に可愛い!)
ただ、結婚して物理的に通うことが難しくなってしまったため、そこで公務員の仕事も退職することになりました。
ブログを始めた理由
結婚後は、家庭と仕事の両立のため、パート獣医師として動物病院で働くことにしました。
パートという勤務形態では担当の患者さんを持つことは難しく、検査や手術の手伝い、動物の保定が主な業務でした。
診察に出たとしてもワクチン接種程度で、どちらかというと仕事内容は看護師業務に近いものでした。
獣医師としての責任を負わなくて気楽な分、どこか物足りなさがあったのも事実でした。
その頃、友人のすすめでブログを書き始めました。
もともと文章を書くのは好きだったし、パートということもあり時間的余裕があったので、「面白そう!」という興味本位な気持ちでした。
そのブログは今は公開していませんが、書くことの楽しさに目覚め、
文章を書くことで何か動物業界の役立てることはないかな?
と思ったのが、このブログを始めたきっかけです。
臨床に限らず、獣医師として働いている読者さんが悩みを解決して、生き生きと働けるようになってほしい!
それが私の信念です。
そうすれば、きっと動物業界はもっとよくなる!そう信じて、自分の体験を通して役に立つ情報を発信していきたいと思っています。
最後に、ここまでプロフィールを読んでくれたあなたに、ぜひ読んでもらいたい記事をまとめました。
獣医師にとってキャリア形成するためのヒントが得られるかもしれないので、ぜひチェックしてみてください!
獣医師にとっても、そうでなくても、このブログが一人でも多くの読者さんのお役に立てれば幸いです。
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